現在、日本が世界に誇るべき医療制度が崩壊の危機にさらされています。人口に占める高齢者の割合が増加する一方で、現役世代の減少が続いています。このままでは、高度な医療体制を支えきれなくなるのは明らかです。エム・シー・ヘルスケアグループは、創業当初から少子高齢化による社会構造の変化を見越し、さまざまな切り口から病院経営を支援してきました。すべては病院の変革を通じて医療水準を維持し、医療費の抑制に貢献するため。無論これからもその歩みは止めません。高い志を持って医療全体の最適化に取り組みます。

エム・シー・ヘルスケアグループは、医療材料や医療機器を提供する役割を果たす一方で、院内の物流管理を担うアウトソーサー、共同購入を運営するサービス事業者、最先端の医療機器や優れた医療材料を輸入する商社、現場のニーズを踏まえたオリジナルブランドを開発するメーカーなど、多様な「顔」を持っています。さらに最近は、ビジネスマッチングサービスを手掛けるプラットフォーマーとしての顔が加わりました。これからも既成概念にとらわれず多様なビジネスを展開していきます。

エム・シー・ヘルスケアグループは、2022年4月、さらに効率的で機動力に富んだ企業グループに生まれ変わるため、組織体制を刷新。エム・シー・ヘルスケアホールディングスを頂点とするグループ経営体制に移行しました。今後は既存事業を伸ばす一方で、これまでに培った知見や信頼関係を礎に、医療分野のデジタルトランスフォーメーションを加速するプラットフォーム事業、バーチャル治験事業など、デジタルテクノロジーを駆使したソリューション領域に進出し、幅広い分野で存在感を発揮します。

エム・シー・ヘルスケアグループは、三菱商事グループのヘルスケア事業を担う中核企業です。これまでも、病院経営にインパクトを与える院内物流管理（SPD）や、医療材料の共同購入など、国内ではまだ前例のなかったビジネスに挑戦してきました。我々は、医療従事者が本業に集中する環境を整えることこそが、無駄なコストをなくし、医療の質を高めることにつながると強く信じています。これからも、三菱商事グループのネットワークを最大限に活用し、業界に先駆けた試みにひるまず挑戦し続けます。

エム・シー・ヘルスケアグループは、文系、理系を問わずさまざまな分野の学生を採用し、ゼロから医療ビジネスのプロフェッショナルを育ててきました。それを可能にしているのが、体系化された教育体制です。事業別の専門研修、新入社員一人ひとりに専任のトレーナーをつけるインストラクター制度など、キャリアのスタート段階からきめ細やかな教育を提供しています。その後もOJTとOFFJTを効率よく組み合わせ、階層別研修や用途に応じた目的別研修、スキル別研修などを通じて、自身の能力向上だけでなく、将来のキャリア開発（経営層に至るまでの成長）を徹底的にサポートしています。

我々は「社会への貢献」「持続的な成長」「志高い企業風土」の3つを経営理念に掲げ、これまでモノやサービスの提供を通じて、全国の急性期病院の経営改善に貢献してきました。病院経営のパートナーとしての地位を確かなものにできたのは、現場のニーズからサービス化に至る精度が他社よりも優れていたからです。病院経営を革新する真のパートナーとしての自覚と行動力が多様なビジネスを生み出す原動力になったのは間違いありません。その経験を今後は、回復期医療や地域医療にもつなげていく計画です。

2020年の春以降、新型コロナウイルスが世界を覆いました。エム・シー・ヘルスケアグループは、この急激な社会情勢の変化を受け、いち早く業務プロセスの見直しに着手。医療現場を支える社員にはワクチン接種を推奨し、在宅勤務が可能な社員には在宅勤務への移行を促すなど、率先して変化への適応に取り組んできました。本社内にオンライン商談や製品の説明動画を配信できるスタジオを設けるなど、新たな試みにも余念がありません。困難な状況を打破するのは、変化をチャンスに変える前向きな姿勢だと考えています。

豊富な実績を誇る大手医療機器メーカーや、最先端のテクノロジーを駆使するヘルスケアベンチャーと交渉し、医療機器や医療材料、医療サービスを日本の医療機関に届けるのも、我々エム・シー・ヘルスケアグループの重要なミッションです。テクノロジーの急速な進歩と歩調を合わせるように、いま世界中で性能やコストパフォーマンスに優れた製品、新たな価値観をもとに作られた医療サービスが続々と誕生しています。その一つひとつを吟味し日本へ届けるために、今日も担当者が世界中を駆け回っています。

エム・シー・ヘルスケアグループは、取引のある全国の医療機関に対し、いついかなるときにも迅速に医療材料や医療機器を届けるため、グループ各社で、全国の政令指定都市を中心に営業・物流拠点を展開。そこで働く総勢約3000名を越える社員が、日々、医療従事者のニーズ、また、地域や病院ごとに異なる環境や事情に向き合っているからこそ、多様なサービスを全国の医療機関に提供できるのです。全国に張り巡らされたサービス提供体制もエム・シー・ヘルスケアグループが多くの医療機関に選ばれている大きな理由になっています。

医療サービスは24時間365日、途切れることは許されません。しかし、人々の命を守るという美名の裏で、プレッシャーや業務過多が医療従事者の心身を蝕んでいます。エム・シー・ヘルスケアグループは、医療従事者がその責務をまっとうし、無駄な業務負荷を軽減できるよう、効率化や省力化を実現するさまざまなサービスを提供してきました。しかしまだまだ改善の余地は残されています。私たちはこれからもITやデジタルツールを駆使したサービスによって、医療に携わる方々の働き方改革に貢献します。

2011年に発生した東日本大震災での災害支援をきっかけに、私たちは継続的なBCP（Business Continuity Plan）を見直し、支援人員の確保、被災拠点の社員へのフォロー、また、運搬経路の確保、製品の戦略的な備蓄など、数々の災害支援対応で得た教訓を体制強化のために活かしてきました。新型コロナウイルスの世界的な流行が始まった2020年以降は、従業員の健康管理や感染予防策の徹底を図り、円滑な事業継続を実現しています。いついかなるときも医療機関、医療従事者を支援し続ける。それが私たちの使命です。