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【コラム】障がいのある仲間と共に働く文化へ|MCHグループが描く新しい組織づくり(前編)

(はじめに)
エム・シー・ヘルスケアグループ(以下、MCHグループ)は2025年10月22日、障がいのある一部の社員が全国から集まり、自身の働き方や日常的な悩み、将来像、会社への貢献等々について語り合う社内プログラム「ピッチイン(みんなで協力する・助け合う)」を初めて対面形式で開催しました。医療材料の物流という社会インフラを支える当社には全国各地に拠点があり、多くて1~2名程度の障がい者が在籍している環境となっており、同様の境遇を持つ仲間との意見交換、協働等の機会は多くありません。健常者と共に働く日々のなかで、悩みや戸惑いを共有できず、誰にもそれらを伝えることもできず、孤独を感じ、時には退職を選択してしまう等のリスクがありました。

2025年10月現在、MCHグループの障がい者雇用率は2.81パーセントを維持できており、法定雇用率は遵守できております。当社は、数字の達成は通過点と捉えており、今後も手帳を持つ社員と健常者が協働できる環境、双方が安心して働ける職場環境の整備等が重要と感じており、法令遵守は当然ながら、「誰もが働きやすい職場づくり」を目指し、採用の促進、就労定着支援、職場環境の整備に取り組みたいと考えております。
障がい者雇用は、小さな行き違い、配慮事項の認識と共有、抱え込みがちな不安を率直に話せる場を提供させる―それらの文化形成の基盤作りとして企画されたのがご紹介する「ピッチイン」です。
本稿では、「ピッチイン」誕生の背景、全国から16名が品川本社に集まった一日の出来事、そしてそこから芽生えた新しい挑戦を紹介します。Excelが得意な社員による研修講座、文章力を生かした業務改善の発信など、すでにいくつかの動きが広がり始めています。採用・定着・活躍をつなげながら、共に働く文化を育てようとするMCHグループの現在地を見つめていきます。

■「ピッチイン」という名に込めた想いとサポートの成熟

MCHグループで障がいのある社員同士がつながる取り組みは、2023年8月に始まった「ショウサポ」(障がい者サポート)コミュニティが原点です。支援を意味する「ショウサポ」は、当初は困りごとや不安を共有する小さなオンラインの場でしたが、回を重ねるうちに、支援する関係ではなく、互いに助け合いながら、できることでの「新たな挑戦」という声が参加者の中から自然に生まれました。

この思いが名称変更につながりました。2025年、ショウサポに参加していた社員の発案によって、取り組みは「ピッチイン」と名づけられました。海外で使われる「力を持ち寄る」「協力して進む」という意味が、活動の実態をよりしなやかに表していたためです。名称が変わったことで、活動の方向性も「支援の場」から「協働の場」へと一段階進みました。

MCHグループには現在、60名以上の障がいのある社員が働いています。数だけ見れば大きく映りますが、全国のサプライセンターや関連会社に分散しているため、一つの拠点では一人、多くても数人という配置がほとんどです。医療機関を支える物流の現場は忙しく緊張感も高いため、小さな不安や迷いを抱えても相談しづらい状況が生まれやすいのが実情です。

日々の業務は適性やスキルに合わせて割り当てていますが、本人の意欲や能力と完全に一致するとは限りません。配慮が必要な場面では管理職が支援に努めていますが、日常の忙しさの中で一人ひとりの思いを丁寧に拾い切れないケースもあります。

人事部はこうした課題に向き合い、「障がい者雇用」を制度面だけで捉えず、企業文化としてどう成熟させ、当社が推進する「サスティナブル経営」にどう結びつけるかを重要なテーマとしてきました。仕組みはまだまだ大企業として求められる水準に到達していませんが、これからも制度を形にするだけでなく、働きやすさの質をどう積み重ねるかという文化の醸成にチャレンジしていきたいと考えております。
制度から文化へ――この橋渡しが、次の成熟に向けた課題になっています。

そうした議論の延長線上で生まれたのが、「ピッチイン」の対面開催という挑戦でした。オンラインの定例ミーティングは関係性を育ててきましたが、顔を合わせる機会がほとんどない社員にとって、同じ場所で語り合う機会は意味の大きい一歩となります。

グループの経営陣の後押しも受けながら、準備は半年以上にわたり、人事部と現場の社員がオンラインで何度も打ち合わせを重ね、プログラムの内容や進め方を丁寧に設計しました。そして2025年10月22日、品川本社で第1回の対面開催が実現しました。

【グループの事業ポートフォリオを解説する エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社 CFO 野﨑 耕司】

この日集まったのは、北海道、東北、北信越、関東、関西、九州など、各地で働く16名の社員です。普段は離れた拠点で働き、互いの顔を知らないままオンラインで言葉を交わしてきたメンバーが、初めて同じ空間で語り合う場となりました。ここで交わされたのは、自分の特性と向き合いながら働いてきた経験、そしてこれから自分がどうありたいかという率直な思いでした。

「ショウサポ」から始まった取り組みは、参加者の声によって「ピッチイン」へと再定義され、さらに対面開催という新しい形へと育っていきました。「支援」から「協働」へ――この歩みは、MCHグループの理念における「志高い企業風土」の象徴といえるでしょう。

≪後編に続く≫

(本記事は2025年10月に取材した内容に基づいています)